入院患者に対応できる看護師の数を確保できるかどうかは、病院経営上重要な問題です。看護師の数を充実させれば診療報酬も増収になるからです。したがって、看護師の就職・転職先は豊富であると言えます。しかしながら、看護師という職務の特殊性ゆえ、職場選びは慎重に行う必要があります。看護師が働く場の6割以上は病院ですが、一部の小規模な病院を除きそのほとんどは入院病棟や救急外来を備えていて看護師には夜勤の義務が課せられます。
3交代制勤務の病院では1回の勤務が8時間で毎月7回ほど夜勤があります。2交代制なら1回の勤務が12時間で毎月4回くらいの夜勤をこなさなければなりません。看護師の夜勤は仮眠が認められず、夜通し起きて患者の対応に備えることが必要です。夜勤明けは休みになりますが、昼夜逆転して体調不良に陥ることも珍しくありません。若くて体力のあるうちはこうした変則的勤務にも耐えられるので問題ありませんが、中高年になり体力的に不安が出てくると職場選びの基準として夜勤の有無が重要なポイントになります。夜勤の有無は職場だけでなく診療科目によっても変わることがありますので、そういった違いにも注意して職場を選びましょう。
日勤だけの職場としては、献血センター・人間ドック・保健所など様々な職場が挙げられます。原則として夜勤手当が無い分減収となりますが、多少収入が減じても構わないと言うのならこうした職場を選ぶことも視野に入れて良いでしょう。また看護師の活躍できる職場は医療施設だけでなく、保育所や障害者施設など福祉施設でも働くことができます。このような福祉施設では、看護師は診療だけでなく療育にも関わることができますので、子どもの成長を見守る仕事に関心のある看護師は、職場選びの際に児童福祉施設を考慮に入れても良いでしょう。